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四季物語
正月 夫より小朝拝のこといそがれ、また今宵の節にあふべき三のほしの位、かんだちめ、きんだち、なべての殿上のおのこ達、またき侍従の何くれ、其さだめがたき、それかれつかうまつりて、日くれにたれば、春としもなく、さむう覚るは、衛士のつかさの火たくあたりにのみ、人おほくゆすりよりて、内弁も此あたりゆかしくもやと、たれもうちほヽえむべし、その神々しさいはんかたなし、九重のかくうづたかくつヾかせ給ひ、百代千代とさかゆく春にあはせ給ふも、かヽる御よそひのたヾならぬにこそ、