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建武年中行事
三日〈◯正月、中略、〉殿上の淵酔あり、蔵人頭已下ことにたへたる男共だいばんにつく、六位蔵人献盃す、朗詠二首、今様一首、三献のたび、ぎよくらうの蔵人献盃すれば、頭、殊更これおしひ、賞玩してひもおはづす、此時みなかたぬぐ、今様の後乱舞に及ぶ、皆座ながらまふ、六位こいたじきにてはやす、蔵人頭三反なり、御いしの前に進みてまふこともあり、主上はしとみより御覧ず、女房など数多障子の辺にさぶらふ、事はてヽ中宮にすいさんす、そのぎ同じ、但公卿の座にて先けんばい、ふだの衆これお進るなり、