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二宮大饗は、毎年正月二日、群臣の後宮〈皇后、中宮、皇太后等、〉東宮に拝賀して、饗宴禄物お賜ふお雲ふ、元日朝賀の後に節会お行はるヽと、其義全く一なり、而して後世は専ら皇后又は中宮お東宮に並べて、二宮と称すれども、古は皇后のみに限らず、皇太后、太皇太后等おも東宮に並べて、二宮と称したり、抑々此事の史に見えたるは、淳和天皇の天長五年に、群臣の後宮に朝賀し、同八年に、皇后及び東宮に拝賀して、衣被禄物お賜ひしお始とす、然れども此等は既に朝賀篇に載せたれば、此条に略せるもの多し、
又臨時客と雲ふあり、期せずして客の至るお雲ふ、大饗に比すれば、其儀大に簡なり、後世は毎年此略儀のみ行はれて、大饗は全く臨時客と変ずるに至れり、故に二宮の臨時客は、併せて此条に収載せり、