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枕草子春曙抄

大饗のところのあゆみ 二宮大饗、大臣大饗等也、あゆみとは、或説に雲、大臣などの御慶賀に学生ども列参して、嘉辰令月歓無極といふ詩お朗詠して、腰指の絹お給ふ事雲々、公事根源雲、二宮とは春宮中宮お申也、王卿以下本宮に参じて拝礼の事あり、次に玄輝門の東西の廊にして饗につく、先中宮の饗につく、次に春宮の饗につく、三献の儀有雲々、猶江次第に委し、大臣大饗は前に委注、あゆみとは歩の字也、江次第に勧学院の歩といふ事もあり、常にはことなる事なき学生などの、此折に所おうるお雲にや、