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後拾遺和歌集
一春
鷹司どのの七十賀の月次の屏風に、臨時客のかたかきたるところおよめる、   赤染衛門むらさきの袖おつらねてきたるかな春たつ事は是ぞうれしき
  春臨時客およめる   小弁
むれてくる大宮人は春おへてかはらずながらめづらしきかな
  入道前太政大臣大饗し侍ける屏風に、臨時客のかたかきたる所およめる、   藤原輔尹朝臣
むらさきもあけもみどりもうれしきは春のはじめにきたる也けり