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視聴草
七集四
寛永甲申正月御湯殿の記 寛永廿一年正月一日、ふしみどの、八でうどの御礼になる、つねの御所にて御さか月二こんまいる、ふしみどの御しやくにて、ぐ御へまいらせらるヽ、そののちてんしやくにて、ふしみどの、八でうどのまいらせらるヽ、ふしみどの御しやくにて、女中へもたぶ、〈◯中略〉こんえ前くわんばくどの御礼にさんだいあり、御みつざかなにて御さかづき一こんまいる、うけとりの御さか月二こんまいる、うけとりの御衆御さかづき御いたヾきあり、 五日、一でうどの御礼にさんだい、常の御所にて御三つざかなにて御さかづき一こん参、御たち折かみにて御礼也、 八日、にしきのこうぢどの、しん中将どの、ぢぶきやうどの、しんさいしやうどの御礼に御まいり、常の御所にて御さかづき一こん参、どれどれへも御みつざかないで申候、てんはいたぶ、 十日、しよれいにて、大かう、九でう前くわんばくどの御礼にさんだいあり、御たちおりかみにて御礼御申あげ、常の御所にて御さかづき二こん参、九でう殿御しやくにてくごまいらせらるヽ、そののちてんしやくにて御ふたりへてんはいまいらせらるヽ、御むろの御所しやうごいんどの、かぢ井どの、しやうれん院殿さんだいなる、いづれも御かぢあそばさるヽ、そののち御さかづき二こん参、御さかづきまいりやうさきのとおなじ、女中衆へも御とほりあり、おもてむきの御もんぜきがた院けんぞうしゆの御礼、せいりやうでんにてあり、いしやにはこ御所にて御たいめんあり、御さしむしろにてやなぎ原大納言おやこ、からす丸弁、てんはいたぶ、三人のしゆうへも御みつざかないづる、〈◯中略〉川もとだいそうじやう、ぼ大いんそうじやう、こんごうわう院そうじやう、まつはしそうじやう、うちやまじやうじやういんそうじやう、ほういんほうげん、同しんくう院ほういん、りじやう院でし、しやうきやう院ほうげん、しやうりん院、とうほう院しゆなんいん、かや院ほんかうじそうじやう、だいとくじ、はんじゆ院、二そんいん、こんかいくわうみやうじ、しやうりん院、しんによどう、やはたしやうほうじ、せいぐわんじ、とんくわうじ、くわうみやうじ、こうしやうじ、めうしんじしゆぎやう、ほうしやういんぜんぼうじ、しんぜんぼうじ、しやうじゆ院、きやうしゆん上人、いしやしゆみやう院、けんたくほう院、せやくいむ、ほういんそうか、すいせういんほうけんいちおう、りうあんほうけん、けいあんほうけん、大しやうじどの、宝きやうじどの、どんげ院どの、入江どの御礼になる、御さかづき二こん参、御とほりもあり、宮内卿殿御れいに御さん有、てんはい御いたヾきあり、 十一日、じゆがうの御かた御礼に御まいり、御さか月一こん参、御三つざかなもいで参らせ候、えんかう院どのも御れいに御まいりにて御さかづきたぶ、御みつざかないで参らせ候、 十二日、いせのさいしゆ、御はらひ御たる二いろ二か上る、