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幕朝年中行事歌合

七番 右   京都御使
東路のかすみとともにたち初て雲井のはしお渡る春風
判雲、京都への御使、伊勢日光の御代参、一時に召出て沙汰せしめ給ふなど、神と君とのかはらぬ御崇敬、実に斯有べき事とこそ誰もいふめれ、隻何事ともたどらで、かヽる事よとのみおもふ輩も有ぬべし、尊き事も常となれば、何とも人のおもはぬぞいとたふとかりけり、〈◯中略〉 京都御使は、前と同じ日、〈◯正月七日〉伊勢日光代参の御事おはりて後、うちへの御使にさヽれし高家お召され、年頭の賀儀お奏せらる、