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嘉永年中行事
二月 大樹年頭使〈并〉年中献物 日限定らず、関東使参れば、先鶴の間にて、武家伝奏へ大樹よりの祝詞お申す、伝奏承りて、常御殿にて言上す、夫より御引直衣めして、小御所へ出御なる、大樹より進上の御太刀折紙と、三家よりの太刀折紙とお伝奏披露す、関東使中段に進み御礼申す、退き庇にて自分の御礼、頭弁申次ぐ、太刀折紙お中段に置き、庇にて御礼申す、次に天盃お給ふ、御陪膳御手長例の如し、関東使天盃給はり退出す、次に入御なる、慶長十三年二月に、将軍の名代年頭の御礼として参る、夫より年々の事になれり、 関東使御暇の日は、長橋の奏者所へ参る、公卿の間にて、伝奏より大樹への御返答の由お仰す、次に御暇給ふべきよし伝奏申し、品々お給ふ、関東使御礼お申す、三献お給はり退出す、