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簾中旧記
御なりの事
一正月二日は、時のくわんれいへなり候、御所さま御しやうぞくめし候て、車にめし候、上さまは御むねあけにめし候、御りきしやかき参らせ候、御きちやうなどもたれ候て、くわんれいにて御祝にて候、御女房衆車二りやうにて参候、みな〳〵御はかまめし候て、むねのまほり御かけ候、御所さま女房たちも、やくしやばかり御供に御参り候、みなきぬども御もたせ候、 一五日には、御所さまばかり畠山殿へなり候、 一十日に御二所伊勢の所へなり候、上さまのなり候はねば、御所さまの女房衆も御参り候はず候、 一十一日には、御所さまばかり三ぼういんどのへなり候、一十二日には、御所さまばかりぶえいへなり候、 一十六日には、南の御所へ御ふた所なり候、上様への御ひきいで物、御からおり物候也、三がさね参らせ候、 一廿二日には、御所様ばかり山名殿へなり候、 一廿三日には、御所様ばかり細川殿へなり候、 一廿六日には、しやうれん院殿へなり候、 一廿九日には、御ふた御所日野殿へなり候、