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〓驢嘶余
一寺家年頭に武家御所へ参る時は、裏衣に白綾平絹お裏付たるお重ねにし、生絹の大口お著て、五条の袈裟おかく、塗輿つかひ小者伴に中方裏衣ろくろ袴の衆多し、其あと若党中間あり、御太刀進上、奏者大館左衛門大夫、被物一重賜也、同比丘尼御所へ被参也、 一被物一重とは、綾小袖、或練貫一重の事ぞ、禄物金銀等也、〈末法橋凡僧は、うす袈裟とて、平絹の裏のなき袈裟なり、◯中略〉