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簾中旧記
御なりの事
一十一日〈◯正月〉にはくろき御所々々、御れいになり候、ひるは内裏の御衆御参候、上臈すけ殿ながはしくちの人御参り候、御所々々のなり候時は、〈◯中略〉七献御さかな参らせ候、つねの御所にだいりの上らふすけ殿は御入候、ながはしは御ゆどのヽうへに御入候くぎやう(供饗)共にて参らせ候、御なかだちは御こしども御よせ候、御はんせんも御さた候、〈◯中略〉
一十一日に御参り候はぬ御かた〴〵は、十六日の御ちやに御参り候みや〳〵へは、小上らうたち御はんせん候、とうたうたち御はんたちへは、御なかだち御はんせんお御さた候、入江殿より御ちやのこ参り候、参りさまには一いろづヽもちて御参り候、御あけ候時には、御ちやのこ御けんさん(建盞)ひとつに御あけ候、〈◯中略〉大上臈は御出候て、御みやづかひ候はず候、御さかなは参らせ候はで、のちにそと御たいめん候てかへし参らせ候、