故実拾要

十五

摂家〈◯中略〉
改年之吉兆、猶更不可有尽期候、大納言殿へ以使者慶賀申入候、可然様頼入候、穴賢、
　　月日　　　　　書判
　　　　　　　　　　———どのへ
年甫の祝儀として、使者お以太刀一腰、馬一匹、これお進候、よろしく披露たのみ入候、慶賀日お追てなほ尽期有べからざる者也、穴賢、
　　月日　　　　　書判
　　　　　　　　　　———どのへ
　　清華家〈◯中略〉
年始之慶賀不可有尽期候、大樹公弥御機嫌克可為御静謐、目出度存候、御次手之節、可然頼入候、恐恐謹言、
　　月日　　　　　諱
　　諸家消息〈◯中略〉
年始之慶賀、天下泰平、殊以祝著候、兼又々被仰候旨、跪以承訖、王春万事之喜悦、聖代一統之洪化、言上而余多候、就中令注進候、以此等趣可有計御沙汰候、誠恐頓首、謹言、
　　月日　　　　　左大臣藤原公賢〈上〉
　　　　頭中将殿元三之御慶、万端重畳、更不可有際限、幸甚幸甚、早可参賀候、抑被仰下之旨、跪以承畢、一天泰平歳、万方娯楽之春、民庶迎義皇向上之風、群臣誇吾君無偏之沢、喜悦之趣併可参賀言上候、以此旨可令洩披露給候、〈公賢〉誠恐頓首、謹言、
　　月日　　　　　藤原公賢〈上〉
　　　　頭弁殿