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幕朝故事談
諸侯 大名衆元日頂戴の時服お、二月十五日著用致す事は、十五日迄の登城は皆熨斗目にて、ふくさ小袖お著する日無之故也、因て十五日に著用不致れば、廿八日にても、其以後にても宜きなり、十五日に著用して、又廿八日に著用して棄物有之節は、もよりの御目付へ届候事也、御徒目付立合改候上、子細無之候得ば、町奉行所へ出す、十五日立候て、闕所倉に入る事なり、御目付への届、三日迄延引候分は不苦候事、棄候訳不相知候段、具に奉行所へ申達し、品物相渡候事也、
◯按ずるに、武臣、寺社、及び公家衆等の、年始に幕府より拝領物の事は、各々其参賀の条に詳なれば、茲には略す、