[p.0789]
歌林四季物語
一春
とそと名付くるは、なべては人のしらぬことなるべし、古き薬のかみのつたへし文には、しはくといひしくすしのはかせ、もろこしにいまそかりし頃、こしらへためりしやく方にて、屠は割なりとかや、蘇は鬼の総名など聞えて、そのあしきおにのわざはひのさきだちぬべきやくとこありて、一人これおふくすれば一家やまふなく、一家これお用ゆれば一さとのわづらひおやむるとつたへたる文にも侍るならし、