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公家年事

屠蘇 丹家伝雲、屠蘇は絳袋に入て、柳枝に付て、除夜の亥時より井戸へ入るヽ、水際一尺ほど上に釣て、地中より升る青陽の気お薬にうけて、元朝の寅時に、井戸より出して、柳枝につけながら、銚子の酒に浸すなり、 紅袋に入るヽ事は、紅は微塵お払ひ、気血お補といへり、柳は青陽お司る故に、木の枝に付る也、春は本東方の卯より来るゆえに、木扁に卯の字お書て柳と訓ずる也、