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友俊記
御茶お供ず、〈◯中略〉第一の御こんにとその酒、第二に神明白散、第三に御とうやく、〈◯註略〉とその酒お命婦にこヽろみのましむ、これは昔薬子とて、少女にのましめて後奉るゆえにや、此頃はたづぬるに少女の事なし、又後取の人もなし、御薬は典薬頭丹波の姓小森蔵人家より調進す、白朮のへらあり、白朮のさぢあり、すえ物に納て土のたかつきにのする、筥のかたちは、檜すみとりたるはこなり、身ふたのそこに、数々けづり木にて筋おつくる、〈◯中略〉当時のけしきかくのごとし、院中の事も禁中已下の家も、銘々もちゆとみえたり、