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嘉永年中行事
正月朔日、〈◯中略〉うけとり、 簾台の中央西に迫りて御茵ばかりお敷き、うけとりお供ず、御垂纓御袴おめす也、下段に女御は南面に、典侍は東西に、内侍は下段の外なヽめに東面に候ず、初献菱花びら、二献かべお供ず、女御へも菱花びら、きじ出る、女中にも給ふ、二献の時始めて屠蘇白散の入たる御銚子お供ず、白散は本より上段の西北の角に置く、御手長の内侍、簾台おへて白散の許に進み、白散お入て御陪膳の人の許に進み寄り、御銚子お供ず、二献の時、受取進上の人何れも天盃お給ふ、伊予酌なり、命婦も同じ、御差の人は、御したみの御盃お申の口にて給ふ、三箇日の間、女中かはる〴〵うけとりお進上する也、