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幕朝年中行事歌合

一番〈◯中略〉 右 屠蘇白散
延といふ千世の薬の豊みきお君にさヽげて祝ふけふかな〈◯中略〉
 屠蘇白散と申は、新玉の春のあした大御酒にくはへて奉れば、万の悪気おさくるとて、古より大内にも供じまいらせしとかや、こヽの御所にも半井今大路の両家より仰事ありて、年ごとにかはる〴〵是お調じて、両御所おはじめ御方々にも奉る也、元日のあした御酒に入て是おすヽめ、群臣にもかはらけたまふ時、是お加へて給ふにこそ、