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後水尾院当時年中行事
上正月
二日、〈◯中略〉うけとりのさかづきのついでなり、いつの頃よりの事にか、其やう、まづ御さかづきに三方一つに、ひし花びら、こぶ、かちぐり、くしがき、かずのこ、あめ、五辛等、さま〴〵の物おとり入て、御前にまいらす、御はしおとらるヽまでもなく、むかはるヽばかりにて、撤して庇におきて、中臈下臈あまたすヽみよりて、彼さま〴〵の物おとり分、ひし花びらのうへにつみかさねて、女中上中しもにたぶ、次にてうし醴ざけお入れもて参る、三献参る、くはへなし、御さかづき三つまいりて、ひとつは次第にとほし、ひとつは勾当ないしにたぶ、