[p.0839][p.0840]
礼容筆粋

雑煮〈一名羹餅〉 歳の始家毎に煮たる餅おくひ、門戸に松竹お樹、藁の縄お引、皆是吾神国の風俗也、相伝ふ、垂仁天皇の御宇に大己貴命、大田々根子命におしへてのたまはく、元月元日赤白の餅お以て我が荒魂おまつらば、国の中災なうして幸福お来しめんと、すべて節辰の祭は皆大田々根子命より始るといへり、此尊常に神に見えて、人と物語するごとくかたり給ふ、是お世の人習得て、年の祭おする也、