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雑煮之巻
正月雑煮 芋、肝、木お表す、色青、眼也、時にとつては春也、方にしては東なり、五常にして仁也、 鰹、心、火お表す、色赤、舌也、時にして夏也、方にして南、五常にしては礼なり、 串蚫、脾、土お表す、色黄、肉也、時にしては土用、方にしては中央、五常にしては信なり、 餅、肺、金お表す、色白、皮也、時にしては秋、方にしては西、性にしては義なり、 熬海鼠、腎、水お表す、色黒、牙、時にしては冬、方にしては北、性にしては智なり、 凡此五色お雑煮にして、正月に食する事、第一は五常の則お発行に依て、先元日に是お食、五行に法て五常の教お可行ために、最初に食之もの也、〈◯中略〉 右一巻雖為秘事、依御懇望令相伝畢、可憚外見者也、