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秋斎閑語

年の始などは、仏事おいむ事、堂上の風なり、やまひおもことばに出さず、所労といふべきお歓楽といふ事に成たり、御門跡方は、出家にてましますに、其風うつりて、御門主より外の御門主へ進ぜらるヽ、年始の御文などの脇付に、緑髪中となさるヽは、延喜式神事の忌詞に、僧お髪長といふより起りたるなるべけれども、もとより御法身の御方への脇付、忌るヽも理にあたらざるか、