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三養雑記

万歳〈◯中略〉 今来る万歳お、江戸にては参河万歳とおぼえたれど、遠江相摸よりも来るなり、関西へは、尾張大和よりいづるなり、張州府志に、無住国師所作楽称万歳楽、使小奴徳若欧之以為賀正、至今春初称万歳者師之遺愛也とあり、無住国師道跡考にいへるも、同じおもむきなり、尾張万歳の唱歌は、無住国師の作のよしにて、今伝ふるもの五章あり、