[p.0883][p.0884]
後水尾院当時年中行事
上正月
四日、〈◯中略〉旧院のはじめ後陽成院の比迄は、今日千秋万歳参れど、正親町院御事の後は、御忌月なれば参らず、されば旧院御代の間中絶によりて、彼者の子孫共のゆくへおしらずなり行く、今はまいらず、 五日、〈◯中略〉今日は桜町の千秋万歳参る、清凉殿の西面に御座おかまへて御覧あり、三さかなにて一献まいる、女中とほりて後、議定所にて、内々の男衆御とほしあり、勾当酌にて伊予さかな也、旧院の宮内卿かたりしは、もとは四日に参る、千秋万歳はけふのごとく清凉殿の西面にて御覧あり、五日のは、南方のあさかれひにて御覧あり、男衆も南の妻戸より参りて、御通もありしとかや、されど此比は、五日のみ参れば、便宜の所なるによりて、西面にて御覧あり、