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諸国図会年中行事大成
一正月
七日七草〈◯中略〉 城州寺田村より七種の若菜お献る、又摂州兎原郡中尾村より七種の若菜お、西本願寺に献る、今日民家良賤家々燖蕪菁薺等お、砧几の上に置きて、細き竹管、或は笞おもてこれお敲き拍す、此時唱へて雲、唐土の鳥と日本の鳥と渡らぬ前にと雲て拍す也、秋斎翁説には、古へ何某といへる人、家富栄て殿造し給ひ、移徙の日其家の下司等集て、日本の富や、貴との富やと唱ひしより、今に斯伝へしなりとぞ、此菜お今朝粥に和して食す、荊楚歳時記雲、正月七日俗七種菜おもつて羹とし、これお食へば万病お除くと雲々、是邪気おのぞく術也、七種の菜とは所謂、薺、芹、蘩〓、菘、鼠麹、蘿蔔、砕米花、