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枕草子

七日〈◯正月〉のわかなお、人の六日にもてさはぎとりちらしなどするに、見もしらぬ草お、子どものもてきたるお、何とかこれおばいふといへど、とみにもいはず、いざなとこれかれ見あはせて、みヽな草となんいふといふものヽあれば、むべなりけり、きかぬかほなるはなど笑ふに、又おかしげなる菊の生たるおもてきたれば、
つめどなおみヽな草こそつれなけれあまたしあれば菊もまじれり、といはまほしけれど、聞いるべくもあらず、