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諸国図会年中行事大成
一正月
十四日歳越 今夜諸公家の奴僕円餅お枚杖に挿み、諸家ごとの門戸お敲く、則此餅十五日小豆粥の内に入煮てこれお食す、これも亦疫お逐ひ福お索るの微意なり、 十五日小豆粥祝〈◯中略〉 今日小豆粥の中へ餅お入て食す、是お粥柱(○○)と雲、また福沸(○○)といふ、此粥お粘として、牛王神札お占る、皆疫お避る法なり、此粥柱お入るヽ事、古き事にや、枕草紙に十五日もちかゆのせくまいると見えたり、下野国には、漆膠木お尺許に切、半は皮お去、其所お木口より四つに割、小豆粥の内へさし入て、粥の付たるお門戸に祭る、是お粥箸と雲、