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倭訓栞
前編六加
かゆづえ 粥杖也、かゆの木とも見ゆ、幸の神祝と称するも同じ、正月十五日粥お焼たる木お削りて杖とし、子もたぬ女房の後お打ば、男子お産といへり、その事源氏、狭衣、枕草紙などに見えて、むかしは諸国にても、新婦お迎へし正月には、よめたヽきと称、今いせの神宮あたりにも有、