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民間年中故事要言
二正月
粥杖 十五日に粥杖とて男児の戯にする事あり、〈◯中略〉美濃国泳宮の村には、正月十五日に新に杖お削て、其削屑の縷の如くなるお杖の頭に残て、名て削掛といふ、是にて女お笞て、大の男十三人といへり、然れども其義お知る者なし、是も男子お生ことお求る祝ことばならん、枕草子、狭衣などにも書れたる事にて、大内にも昔より有来たる事お、民の上にも習ふて、童の戯にもする事ならんかし、