[p.0931]
改正月令博物筌
正月
十五日 三毬打〈左義長ともかく 正月に打たる毬打玉お、真言院より神泉苑へ出してやき上る也、〈つれ〴〵草にあり〉毬打玉は三角にして、天地人に表し、やき上るは陽おまつる也、今の世民間には、正月のかざり松竹しめなはの類おやく、是おとんどヽいふ也、唐は元日に竹おやく、竹のやくる音にて陰気はらひ、妖邪のがいおのぞくと也、〈本朝これにならふなるべし〉〉 爆竹〈ばくちくとよむ、又竹おほこらすともよむ、竹おやくなり、〉 吉書上る書〈初にかきしお、今日やくなり、〉 ひし花びらほこらす〈ほこらすといふは、やくといふ字おいむ故、いふなるべし、〉