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源氏物語
三十四若菜
正月廿三日、子の日なるに、左大将殿の北方わかなまいり給、〈◯中略〉けふの子日こそなほうたてけれ、しばしは老おわすれても侍べきおときこえ給、かんのきみもいとよくねびまさり、もの〳〵しきけさへそひて、みるかひあるさまし給へり、
わか葉さすのべの小松おひきつれてもとの岩ねおいのるけふかな、とせめておとなひ聞え給、ぢんのおしきよつして、御わかなさまばかり参れり、御かはらけとり給て、
 小松ばらすえのよはひにひかれてやのべのわかなもとしおつむべき、などきこえかはし給て、上達部あまた、みなみのひさしにつき給、