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散木棄歌集
一春
七日卯杖にあたりける日、常陸守経兼がもとより、わかなにそへておくりける歌、おいらくの腰ふたへなる身なれども卯杖おつきて若菜おぞ摘〈◯中略〉
  伊勢に侍けるとし、むつきの一日、卯日にあたりければ、みうちに卯杖などたてまつるおみてよめる、
けふぞしるこえくる山のけはしさに年もう杖おつくにやあるらむ
  はつうの日(○○○○○)よめる
あさましやはつ卯の杖のつく〴〵とおもへば年のつもりぬるかな
    ◯