枕草子
四
さぶらひのおさなるもの、ゆのはのごとくなるとのいぎぬの袖のうへに、あおきかみの松につけたるおおきて、わなヽきいでたり、そはいづこのぞととへば、斎院よりといふに、ふとめでたくおぼえてとりて参りぬ、〈◯中略〉御文あけさせ給へれば、五寸ばかりなる卯槌ふたつお、うづえのさまにかしらつヽみなどして、山たちばな、ひかげ、山すげなど、うつくしげにかざりて、御文はなし、たヾなるやうあらんやはとて御らんずれば、うづちのかしらつヽみたるちひさきかみに、
山とよむおのヽひヾきおたづぬればいはひのつえのおとにぞありける、御返しかヽせ給ふほどもいとめでたし、
山とよむおのヽひヾきおたづぬればいはひのつえのおとにぞありける、御返しかヽせ給ふほどもいとめでたし、