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公事根源
正月
白馬節会   七日
此節会の事、大方は元日などにおなじ、元日は氷の様、はらかの贄、御暦などあるによりて、押なべて諸司の奏といふなり、けふは兵部省より奉る、御弓奏ばかりお内弁も奏聞するなり、若卯日にあたらば、けふも諸司奏と雲べし、卯杖の奏あるによりてなり、しからざる時は、たヾ御弓奏候やと仰す、天竺の貝多羅葉は、其長さ七尺五寸なり、弓のたけも七尺五寸なる故に、是おたらしとは申にや、〈◯中略〉儀式などは大かた元日におなじ、其上いつもの事なれば、記すも不珍やうなれば書のせず、天武天皇十年正月七日に、御門小安殿におはしまして宴会の儀有り、是や七日の節会の始なるべからん、