[p.1045]
続世継
三内宴
かくてとしもかはりぬれば、〈◯中略〉廿日〈◯保元三年正月〉ないえんおこなはせ給、もヽとせあまりたえたる事お、おこなはせ給、よにめでたし、題は春生聖化中とかやぞきヽ侍し、関白殿など、かんたちめ七人、詩つくりてまいり給へる、あおいろのころも、春の御あそびにあひて、めづらかなる色なるべし、舞姫十人れうき殿にて、袖ふるけしき、から女おみる心ちなり、ことしはにはかにて、まことの女はかなはねば、わらはおぞ、仁和寺の法親王〈◯覚性〉奉り給ける、ふみおば仁寿殿にてぞ、かうぜられける、尺八といひて、吹たえたるふえ、このたびはじめて、ふきいだしたりと、うけ給はりしこそ、いとめづらしき事なれ、