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後水尾院当時年中行事
上二月
十五日、御三間のひがしの方に、北首西面に涅槃像お掛て、前に机お置、香花仏供、餅等おそなふ、また仏前便宜の所に、柳の枝お立て捧物おかけらる、供御の御捧物、院、女院、御所々々などのは勿論、女中内々、外様の番衆、采女、女官〈に〉至るまで、たてまつりあつめたるもの共お仏前におく、少分の物は柳の枝につく、秉燭のヽち〈旧院御ゆどのヽうへの日記は、或は翌日、或は一両日已後のことヽ見えたり、近年如此、〉捧物共の鬮とりあり、禁中よりも院、女院へ捧物参る、般舟三昧院へも杉原十帖、扇一本参る、女中衆よりも扇参る、下行あり、