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御湯殿の上の日記
慶長三年二月十五日、けふはねはん、いつものごとく御みまにかヽりて、かちん、みやかし(灯明)まいる、御ほうもつ(捧物)十でう、しヾら一たん、ぢんかう文ばこいづる、じゆごう、女御、女中より御ほうもつまいる、三位どのよりも御ほうもつまいる、ない〳〵の御はんしゆ、すへのしゆも、いつものごとく御ほうもつかけまいらする、御所々々、わかみやの御かた、女二の宮の御かた、女三の宮の御かたも、御ほうもつかけさせらるヽ、夕かた御くぢ(鬮)とりあり、御所様御ほうもつ、しん大すけ御くち御とりあり、ちおん院より御ちやのこの折まいる、とうさいしやうたね丸げんぶくにつきて、御かふり申いださるヽ、しんないしどのより、御ひつしまいる、はんしゆいんへ上、わたくしより御ほうもつまいる、