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花洛名勝図会

恵日山東福寺(○○○)〈◯中略〉 例年二月十四日、十五日、仏殿に懸るところの涅槃像の大幅は、応永十五年六月、兆殿司五十七歳にして図するよし、脇書にあり、〈竪八間横四間〉其筆精の絶妙たるや、実に本朝無双といふべければ、其名画の聞え高く、彼両日、詣人に縦観せしむ、この日貴賤の遊客、弁当始と号して群集す、