[p.1069]
壒囊抄

以二季彼岸、作善根時節とするは何ぞ、 夫一年お四季に分つと雲へ共、誠は春秋の二季也、夏は春の余り、冬は秋の余也、されば昼夜の長短お雲も、極長は夏にあれ共、春の日長しと雲、極長は冬にあれ共、秋夜長しと雲也、左伝にも、二季に分が故に、春秋の名ありと雲々、此春秋二季の間に、彼岸は是正時也、 経雲、昼夜斎等にして、如比両岸左右均等と雲々、仍て名比岸、又日出日没の両岸、彼の岸と々々と斉が故に、彼岸共書く、時分相応故に、所作成就すと雲々、