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海録

日本後紀巻六、延暦二十五年二月官符、応五畿七道諸国転読金剛般若経雲々、宜使国分僧春秋二中、月別七日存心奉読之雲々、〈是為崇道天皇也〉信景雲、春秋二仲、一七日仏事、蓋和俗彼岸会権輿歟、読金剛般若波羅密多、按波羅密訳到彼岸則彼岸会名依般若経而起乎、然延暦二十五年春分〈中日也〉彼岸会之始也、この説用ゆべし、暦林問答集、仮名暦注などいへるものにも、春秋何の故に彼岸といふ事おしるさず、先にのする彼岸の説おあはせ見て、始めて暦に彼岸おのするのゆへよしお詳にせり、