柳営新編年中行事

三三月

一月次之御礼、近年依上巳御祝儀近雖無之、二月廿八日御差合出仕無之に付、此一日出仕可仕旨被仰出、総出仕有之候、
一為上巳之御祝儀　一種一荷、御三家方より、二種一荷、日光御門跡より、右之通被差上之、謁老中使者退散、
　同三日　　　上巳　　　　　熨斗目長袴
一御白書院出御、〈御のしめ御長袴〉御差立老中勤之、　御刀、御小性衆役之、但し御間飾無之、　御三家方、同御嫡子方、松平加賀守、松平肥後守、松平讃岐守、松平下総守、井伊掃部頭、松平中務大輔、　右御礼、御次之間に而、高家詰衆芙蓉之間御役人祗候御目見、畢而〈◯註略〉大広間〈江〉渡御、
一大広間御中段〈御座畳御褥御腰物掛〉有之、御先立、老中司之、御刀、御扈従役之、　例式之通、国持侍従以上御下段御敷居之内より二畳目、四品以下拭縁、諸大夫より、〈二人、三人、五人、七人、〉護持院、金地院、　御次之間西之張出に、法印并法眼之医師、　御納戸構後、御使番著座有之、　御車寄落縁、舞之猿楽罷在、　右之通諸士之御礼被為請之、猶於席々御目見有之、