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蜻蛉日記
下之下
けふかヽるあめにもさはらで、おなじところなる人、ものへまうでつ、さはることもなきにと、おもひていでたれば、あるもの、女かみには、きぬぬひてたてまつるこそよかなれ、さしたまへと、よりきてさヽめけば、いで心みむかしとて、かとりのひヽなぎぬ、みつぬひたり、したがひどもに、かうぞ書たりけるは、いかなる心ばへにかありけん、神ぞしらむかし、〈◯下略〉