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御留守居勤方手扣留

御雛拝見心得
一御礼済御雛為拝見、御広敷〈江〉相廻り候間、御表詰合不申段、当番より大目付并御同朋頭〈江〉申断置、半袴著替、一同御広敷〈江〉相廻り、御用人部屋に扣居、猶御雛為拝見相廻り候段、番之頭〈江〉達候得者、其段番之頭より奥〈江〉申込、其後拝見相廻り候而宜旨、番之頭申聞候間、御用人一同相廻る、御広座敷御縁より表使案内にて、竪廊下罷越、千鳥之間御縁御杉戸内に而解剣致し、表使の案内に而、御対面所御三之間御縁に而案内之表使披き候間、一寸時宜いたし、猶又少々上之方に表使不残著座致し居候間、右之処にて下に居挨拶致し、夫より御下段御縁に老女衆著座致し被居候間、図之処〈江〉罷越、時宜致し相応申述候而罷立、御二之間〈江〉入、猶又拝見、不残拝見、相済、尚又図之処〈江〉罷越相応申述、千鳥之間御縁御杉戸内に而帯剣いたし、御広座敷〈江〉罷越候へ者、表使出居候間、御雛拝見之御礼申述る、且多分御上り合之御肴、并御下夕等之被下有之候間、右等之御礼も申上、御用人部屋〈江〉引、夫より退散、〈◯拝見之図略〉