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栄花物語
十二玉村菊
はかなう五月〈◯長和五年〉五日にも成にければ、大宮〈◯藤原彰子〉より、ひめ宮〈◯禎子内親王〉にとて、くす玉奉らせ給へり、それに、
そこふかくひけどたえせぬあやめ草千とせおまつのねにやくらべん、御かへし中宮〈◯藤原妍子〉より、
年ごとのあやめのねにもひきかへてこはたぐひなのながきためしや