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千載和歌集
九哀傷
枇杷どのヽ皇太后宮〈◯三条后藤原妍子〉わづらひ給ひけるとき、所おかへて心みむとて、ほかにわたり給へりけるお、かくれ給ひて後、陽明門院一品親王〈◯禎子〉と申ける、枇杷どのにかへり給へりけるに、ふるき御ちやうの内に、菖蒲くすだまなどのかれたるが、侍りけるお見てよみ侍ける、 弁乳母
あやめ草涙の玉にぬきかへておりならぬねお猶ぞかけつる
返し 江侍従
玉ぬきしあやめの草はありながらよどのはあれむ物とやは見し
あやめ草涙の玉にぬきかへておりならぬねお猶ぞかけつる
返し 江侍従
玉ぬきしあやめの草はありながらよどのはあれむ物とやは見し