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徒然草

御帳にかヽれるくす玉も、九月九日、菊にとりかへらるヽといへば、さうぶは菊のおりまでもあるべきにこそ、枇杷皇太后宮〈◯三条后藤原妍子〉かくれ給ひてのち、ふるき御帳の内に、さうぶ、くす玉などのかれたるが侍りけるお見て、おりならぬねおなおぞかけつると、弁のめのとのいへる返事に、あやめの草はありながらとも、江の侍従がよみしぞかし、