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古今著聞集
十九草木
堀川院の御時、五月五日、江帥菖蒲おたてまつりたりける状に、
   進上   水辺菖蒲
     千年五月五日        大江為武
この状お殿上にいだされて、人々によめと仰られけれ共、誰も其心おしる人なかりけるに、師頼卿其時弼少将とてさぶらひけるが、あんじえてよみ侍ける、
たてまつり( /進)あぐる( /上)かはべ( /水辺)のあやめ( /菖蒲)ぐさちとせ( /千年)のさ( /五)月いつか( /五日)たへせん( /大江為武)