[p.1180]
守貞漫稿
二十七
粽并柏餅
京坂にては、男児生れて初の端午には、親族及び知音の方に粽お配り、二年目よりは柏餅お贈ること、上巳の菱餅と戴の如し、〈◯中略〉 江戸にては初年より柏餅お贈る、三都とも其製は米の粉おねりて円形扁平となし、二つ折となし、間に砂糖入赤豆餡お挟み、柏葉大なるは一枚お二つ折にして包之、小なるは二枚お以て包み蒸す、江戸にては砂糖入味噌おも餡にかへ交る也、赤豆餡には柏葉表お出し、味噌には裏お出して標とす、