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東都歳事記

四月廿五日 男子ある家には、大かた今日より五月六日迄のぼりお立る、
五月五日 端午御祝儀、〈◯中略〉貴賤佳節お祝す、〈(中略)武家は更なり、町家に至る迄、七歳以下の男子ある家には、戸外に幟お立、冑人形等飾る、又坐鋪のぼりと号して、屋中へかざるは、近世の簡易也、紙にて鯉の形おつくり、竹の先につけて、幟と共に立る事、是も近世のならはし也、出世の魚といへる諺により、男児お祝するの意なるべし、たヾし東都の風俗なりといへり、初生の男ある家には、初の節句とて別て祝ふ、〉