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東都歳事記
二五月
廿八日、両国橋の夕凉、今日より始り、八月廿八日に終る、并に茶屋、看せ物、夜店の始にして、今夜より花火おともす、逐夜貴賤群集す、〈◯中略〉
納凉 両国橋辺〈前にいへり〉 大川通(○○○) 隅田川(○○○) 不忍池辺(○○○○)〈五月の半よりは、黄昏より辻々広場等に、仮の出茶屋お儲け、ならびに街の商人多く、夜々の賑ひいふも更なり、神仏の縁日は夏お専として、植木その余商人わけて多し、 江戸店や戸ざヽぬ御代の下すヾみ、梅翁、 通り町筋 上野黒門前広小路 山下 浅草雷神門前 四谷御門外 市谷御門外 芝神明宮境内 赤羽根川端〉
 ◯按ずるに、納涼の時、花火お弄する事は、遊戯部花火篇に載せたり、